不動賃貸業でもIT化は避けられない!
不動産業界は、IT化が遅れていると言われる業界ですが、それでもIT化の波が大きくやってきていると言える状況です。
黒船と日本の企業がタッグを組んで、不動産業界にやってきています。
(1)OYOとYahoo
家具家電付き、敷金、礼金、仲介手数料0円。スマホ一つで“旅するように暮らす”日本初のアパートメントサービスという賃貸サービスという売り文句です。4月から試験運用中です。本格始動の時期はわかりませんが、試験運用がうまくいけば、本格始動することになります。
入居者のメリット
- 手間のかかる入居手続き、料金体系の明確化と初期費用0円である。
- キャッシュレス決済サービスPaypayを使うことができる。
- 多拠点生活スタイルを行うフリーランスにとっては、使い勝手が良いかもしれない。
大家さんにとっては、脅威になるかもしれません。競合物件以外に新たに競合が増えるわけですから。
一方で、OYOが提供している部屋に合致する物件を持っている大家さんにとっては、脅威ではなくメリットになるかもしれません。OYOに空室を借りてもらえる可能性があるからです。空室リスクを低減することが可能になるでしょう。
(2)ファンドフォートレスとSoftbank
厚生労働省の管轄下にあった「雇用促進住宅」という公営住宅を再生したものです。全国に十数万戸あると言われています。
入居者のメリット
- 敷金、礼金、更新料がすべて0円である。
- 最大3万円の引越し支援金と1ヶ月のフリーレントがついてくる。
- ビレッジハウスというブランド名で全国展開していることから、法人が契約しやすい。
こちらも大家さんにとっては、脅威になるかもしれません。競合物件が新たに増えるわけですから。しかも、敷金、礼金、更新料のすべてが0円であり、1ヶ月のフリーレントまでついているので、競合物件とならないように、差別化を行なっていく必要があるということを意味します。
一方で、日本の不動産会社は何も対応していないか?というとそのようなことはありません。入居者向けのアプリを作って、入居者の利便性を向上している不動産会社もあります。
アプリには、様々な機能があります。
- 入居のしおり
- 設備仕様書
- 不動産管理会社からの連絡
- トラブル時の連絡先
- 提供するサービス
- チャット昨日による個別のやりとり
- ゴミ出しカレンダー
など
大家側、不動産管理会社から伝えたいことと入居者が知りたいことを機能として、取り入れることができるので、便利であると考えます。
不動産管理会社にとっては、入居者に対して、アプリを使って、一斉連絡することが可能になりますので、業務効率も上がります。
- 入居者の顧客満足度を上げることができる。
- 不動産管理会社の業務効率を上げることができる。
- 入居者がつきやすくなるので、大家さんにとっては空室リスクを低減することができる。
まさに、“三方よし”と言えるでしょう。
大家さんがアプリを導入することは現実的ではないかもしれませんが、不動産管理会社にとって、費用対効果が見込めるのであれば、入居者用アプリを積極的に導入してくる可能性があります。
アプリにすべてを任せて、何もしない不動産管理会社も出てくるかもしれません。アプリを導入することが良い、悪いではなく、大家さんの経営方針と不動産管理会社のやり方が合致するところを、大家さん自体が見極めていかなければならない時代になっていくものと考えます。
不動産管理会社に丸投げするのではなくて、大家さん自体が経営方針を決め、経営戦略を策定し、ビジネスパートナーとして、不動産管理会社と付き合っていくことが重要であると考えます。
認知症大家対策アドバイザー
岡田文徳
参考:
賃貸住宅フェアin 九州
セミナータイトル「これからの賃貸住宅市場の動向と最新のIoT設備を検証」
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