賃貸トラブルの対応方法を知っておく!

現在の賃貸住宅は、過剰供給状態となり、入居者のほうが住居を選択できる状態にあります。その中でも、外国人と高齢者に貸している大家さんは、少ないといえます。なぜなら、大家側がリスクがあると考えていることと管理会社側も面倒なことをやりたがらないからであると考えられます。

しかし、外国人と高齢者に貸す大家さんが少ないからこそ、あえてターゲットにするということも考えられます。

ただし、賃貸トラブルは、そもそも起きるものであると考えておかなければなりません。

 

・入居者の高齢化について考えておく。

入居するときは、高齢者でなかったとしても、入居期間が長くなるにつれて、高齢者になってしまう場合があります。確かに、言われてみればその通りです。人間は、毎年一つ歳を重ねるわけですから、いうまでもないことですが、意外に気づいていないことかもしれません。

入居している方の年齢によっては、賃貸借契約を更新するごとに確認しなければならない事項になり得るでしょう。

 

・高齢者が滞納するとどうなるのかを知る。

通常の滞納の場合には、次のような流れになるそうです。

(1)滞納が続く。(3ヶ月程度)

(2)明け渡し判決

(3)強制執行

高齢者でも流れは変わりません。

 

入居者が認知症になったしまった場合は、大変だそうです。

(1)滞納が続く。(3ヶ月程度)

(2)認知症のため、成年後見の申し立てを行う。

(3)代理人と折衝する。

(4)明け渡し判決

(5)受け入れ先を見つけて、強制執行

(6)強制執行不能!?

特に、認知症の場合では強制執行が不能になる可能性が高いとのことです。これは非常に大きなリスクといえます。滞納していても、強制執行できないと、大家側にとっては事業として成り立ちません。強制執行が不能になる可能性がある理由は、受け入れ先が見つからないことと認知症の状態で動かすことが難しいと判断される可能性が高いからだそうです。

そうなると、方法は2つです。

・高齢者を入居させない。

・高齢者を入居させる前に、対策を講じておく。条件に合う人だけを入居させる。

 

高齢者を入居させないという方法も経営戦略として考えられます。間取りがファミリー向けの物件に一人暮らしの高齢者を受け入れるかと言われると、ターゲットが異なるということになるでしょう。つまり、所有している物件エリア、間取りなどから一人暮らしの高齢者がターゲットになるのか?ターゲットにするのか?をまず考えておかなければならないということです。

 

高齢者を入居させるのであれば、入居前に対策を講じておくことが必要になります。

家賃を払い続けることができるのか?

少しでも認知症の疑いが出てきたら、どうするか?

亡くなった後の対応をどうするか?

 

特に、亡くなっても賃貸借契約は相続人に引き継がれますので、注意が必要です。相続人がすまないのであれば、解約してもらう必要があります。また、部屋の中のものを大家側が勝手に処分することはできません。したがって、賃貸借契約を締結する前に、入居希望者としっかり話し合い、後々のことまで取り決めておき、取り決めを書面に残した上で、入居してもらうことになるでしょう。書面を残したとしても、訴訟になった場合には、大家側の主張が認められるとは限りませんので、注意が必要です。

 

ここまでやらなければならないのであれば、一人暮らしの高齢者を入居させないと方針でも良いかもしれません。満室経営を続けられているのであれば・・・。しかし、空室が目立つ物件であれば、一人暮らしの高齢者を入居させたくないと考えていたとしても、一人暮らしの高齢者を入居させることで経営を安定させることが必要になるかもしれません。金融機関からお金を借りている場合には、返済しなければなりません。空室のままで、不動産賃貸業が成り立たないのであれば、意味がありません。

 

一人暮らしの高齢者を入居させるのであれば、最低限の知識を持つことと対応策を事前に決めておくことが重要であると感じました。

 

認知症大家対策アドバイザー

岡田文徳

 

 

参考:

賃貸住宅フェア2019 in 大阪

2200人の大家さんを救った司法書士が教える賃貸トラブル解決法

 

2000人の大家さんを救った司法書士が教える 賃貸トラブルを防ぐ・解決する安心ガイド

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4534055498/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o02_s00?ie=UTF8&psc=1

不動産賃貸業の特徴を理解する。

https://dimetel.jp/2019/09/18/ret2/

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