家賃減額を交渉された大家さんが行うべき対応
コロナウィルスの影響により、4/7に緊急事態宣言が発令されてから、約2ヶ月弱が経過しました。
東京では、緊急事態宣言が段階的に解除されましたが、今まで通りの生活に戻るかどうかはなんとも言えません。
むしろ、リモートワークという形が整備され、また使いなれたことによって、解除された後でも一部リモートワークによる対応になるものと考えておいても良いかもしれません。
さて、家賃減額を交渉されている大家さんは、多いかもしれません。すでに対応した大家さんもいるかもしれません。
家賃減額の交渉を行う前に行うべきことがあります。
家賃減額の交渉を行う前に行うべきことがある!
大家さんであるあなただけの判断で家賃を減額することはやめましょう!
なぜなら、大家さんであるあなたは、金融機関から融資してもらっているはずです。金融機関に対して、返済しなければなりません。
融資している金融機関に何も言わずに、家賃が減額して、返済できなくなった場合、融資している金融機関が大家さんであるあなたの返済について配慮してくれれば問題ありません。
しかし、融資している金融機関が大家さんであるあなたに対して、返済を求めた場合には、返済しなければならないと考えるべきです。そして、返済することができなければ、一括返済を求められるかもしれません。当然、一括返済することはできないわけですから、競売などの手続きに進んでいくことになるかもしれません。気をつけましょう!
家賃減額を行う前に状況を確認しましょう!
どちらのタイプであるかによって大きく異なります。
(1)住居(レジデンス)
(2)店舗(テナント)
大家さんであるあなたに連絡してきている入居者はどちらでしょうか?
(1)住居(レジデンス)
まずは、入居者の状況を確認しましょう!
仕事を行うことができなくなり、給料が大幅に減ってしまった状況かもしれません。家賃を支払う前にそもそも生活自体ができない状況になっているかもしれません。確認することが重要です。
(a)家賃保証会社をつけている場合
家賃保証会社をつけている場合には、家賃保証会社から大家さんであるあなたに家賃が支払われているはずです。もし、支払われていないのであれば、家賃保証会社に連絡して、確認しましょう!
さらに、家賃保証会社との契約条件において、入居者から家賃が滞納された場合に、保証される家賃の期間が記載されています。保証される家賃の期間内は、家賃が支払われると思っていても構いません。
ただし、注意が必要です!!
家賃保証会社が倒産してしまった場合には、家賃は保証されなくなりますので、楽観視しないほうが良いと考えております。
(b)家賃保証会社をつけていない場合も参考にすることをオススメします!
(b)家賃保証会社をつけていない場合
入居者の状況を確認しましょう!
家賃を支払うことができない状態であることがわかった場合には、家賃減額交渉をする前に次のことを提案しましょう!
助成金、補助金などを提案し、活用してもらうということです。
・住宅確保給付金 (自治体)
・緊急小口資金 (自治体)
・生活保護制度 (自治体)
まずは、入居者の手元にお金が渡る仕組みを活用してもらわなければなりません。なぜなら、家賃を減額したところで、入居者の手元にお金がなければ、生活することができません。生活できなければ、家賃を支払うどころではなくなってしまいます。
大家さんであるあなたは、入居者の手元にお金が渡る仕組みを提案して、活用してもらい、家賃も支払ってもらうようにしましょう。
(2)店舗(テナント)
まずは、テナントの状況を確認しましょう!
住居よりもテナントのほうが状況は、深刻であると、考えられます。
住居の場合と同様に、家賃を支払うことができない状態であることがわかった場合には、家賃減額交渉をする前に次のことを提案しましょう!
助成金、補助金、融資などを提案し、活用してもらうということです。
テナントは、家賃以外に固定費がかかっています。
固定費とは、売上が上がらなくても、かかる費用のことです。
例えば、人件費、家賃、光熱費の基本料、電話の基本料などがあげられます。
売上が下がった場合には、固定費は毎月同じ金額がかかるため、手元に資金を持っていないと、すぐに事業が行き詰まってしまう状態となります。そのため、テナントの事業者は、固定費を下げたいと考えるので、家賃減額を交渉してくることになります。
しかし、テナントの事業者は家賃減額をする前に、手元にある資金額を手厚くすることのほうが重要です。半年分以上の固定費分に相当する手元資金を持つことで、手元にある資金を手厚くすることによって、事業を継続しやすくなるからです。
大家さんであるあなたは、テナントの事業者のために、手元に資金額を手厚くする方法を提案しましょう!テナントの事業者が事業を継続しやすい状況を作ってあげるべきです。
助成金、補助金など
・持続化給付金 (中小企業庁)
・休業等協力金 (自治体)
・小規模事業者持続化補助金 コロナ特別対応型 (中小企業庁)
・働き方改革推進支援助成金 テレワークコース (厚生労働省)
課税対象となるものがありますので、テナントの事業者に対して、詳細は税理士に確認することをオススメしてあげましょう!
融資など
・日本政策金融公庫 新型コロナウィルス感染症特別貸付
・商工組合中央金庫 危機対応融資
・セーフティーネット4号、5号
・つなぎ融資取引金融機関
・小規模企業共済 特例緊急経営安定貸付け
・生命保険会社 契約している場合
融資に関しては、返済しなければならないものになりますが、特別な利率で借りることができる場合が多いです。
テナントの事業者が事業を継続できるように、助成金、補助金、融資などを活用してもらいましょう!
また、テナントの事業者には、助成金、補助金、融資などの条件など詳細は、専門家に確認するように連絡しましょう!
それでも、家賃減額を交渉された場合には・・・
助成金、補助金、融資などを活用できる限り活用してもらった上でも、家賃減額を交渉された場合には、大家さんであるあなたが借りている金融機関と話し合いましょう!
金融機関との話し合いがついた場合には、家賃減額を行なっても良いかもしれません。それでも、家賃の減額幅は、最小限にとどめるべきです。大家さんであるあなたが金融機関に返済することができなくならないように気をつけましょう!
入居者、テナントの事業者が大変な状況であると思います。大家さんであるあなたも大変な状況であると思います。人によって、状況は多少変わるかもしれませんが、大変な状況であることに変わりはありません。このような状況だからこそ、入居者、テナントの事業者と大家さんであるあなたにとって、お互いに生き残ることができる方法を行なってもらいたいと考えています。
認知症大家対策アドバイザー
岡田文徳
参照:
家賃滞納対策
家賃減額交渉への対応
生活を支えるための支援のご案内(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000622924.pdf
緊急小口資金(厚生労働省)
生活保護制度(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatuhogo/index.html
持続化給付金(中小企業庁)
東京都感染防止協力金(東京都)
小規模事業者持続化補助金 コロナ特別対応型(中小企業庁)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/2020/200428jizoku.html
働き方改革推進支援助成金 テレワークコース(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/telework_10026.html
日本政策金融公庫 新型コロナウィルス感染症特別貸付
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_m.html
商工組合中央金庫 危機対応融資
https://www.meti.go.jp/covid-19/shikin_sodan/pdf/shochu_01.pdf
セーフティーネット4号、5号
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_gaiyou.htm
小規模企業共済
https://www.smrj.go.jp/kyosai/info/disaster_relief_r2covid19_s.html
大家としては考えたくありませんが、家賃減額は交渉されるかもしれません。
https://dimetel.jp/2020/04/22/re27/
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。