大家さんになりたい?
最近、少なくなりましたが、一時期、
“大家さんになりたい”
と相談されることがありました。
そのような時には、すぐに
“やめた方がいいですよ”
とお答えしていました。
なぜ、わざわざビジネスチャンスを潰すのか?と考える方はいらっしゃると思います。しかし、“大家さんになりたい”と言ってくる人には、大きな問題点が3つあります。そのため、“やめた方がいいですよ”
- 大家さんになることが目的になっている。
- 不動産を購入すれば、勝ち組と考えている。
- 不動産賃貸業という事業であると考えていない。
(1) 大家さんになることが目的になっている。
大家さんになることが目的になってしまうと、大家さんになりさせすれば良いと思ってしまいます。つまり、不動産を購入すれば、終わりです。
大家さんになって、収入を増やす、収入を安定させることが目的であるはずです。不動産を購入するまでは、非常に重要ではありますが、購入後も重要です。
(2) 不動産を購入すれば、勝ち組と考えている。
不動産を所有していれば、勝ち組というわけではありません。人口が減少しており、競合となる物件が多いエリアにおいて、不動産を所有している場合には、所有しているだけでは、入居者はつきません。残念ながら、不動産を所有していれば、勝ち組といった考え方は、古いと言わざるを得ません。
(3) 不動産賃貸業という事業であると考えていない。
賃貸物件の供給量が入居者の需要量に対して、少ない場合には、不動産を所有しているだけで、入居者がついたかもしれません。大家側が強気でも入居者がついたかもしれません。
しかし、現在は、賃貸物件の供給量が多いエリアがほとんどです。入居者が物件を選択することができる時代です。不動産を所有しているだけでは、入居者がつくことは難しいでしょう。空室にしないための努力が必要です。
不動産賃貸業を個人でやられている場合には、必ず確定申告をしているはずです。経費が認められているはずです。
株式投資などの場合には、経費は認められていないはずです。
なぜでしょうか?
不動産賃貸業という事業だからです。事業であるから、経費を認めてくれるということです。ということは、不動産賃貸業という事業の経営者として、取り組まなければならないということです。そのためには、不動産賃貸業に関する知識、人脈、予算などあらゆることが必要です。
“大家さんになりたい”と相談してくる人には、残念ながらどの視点もかけています。
さらに、
“アーリーリタイアしたいので、大家さんになりたい”
と言われることもあります。
“アーリーリタイアして、その後はどうしたいのですか?”
とお聞きすると、
“考えていない”
と言われます。
残念ながら、人生における目的が定まっておらず、現実逃避している状態です。自分を見つめ直すところから、はじめないと不動産賃貸業を行うことは難しいかもしれません。
私の場合には、何歳になったとしても、仕事をするつもりです。不動産賃貸業だけでなく、コンサルタントもやるつもりですので、不動産賃貸業を行うことは、アーリーリタイアが目的ではありません。経営者としての資質を磨き続けることと収入を安定させることが目的です。
実は、不動産賃貸業は、誰にでも合うわけではありません。
ビジネス、営業、マーケティング、投資などあらゆる分野において、成果を出すタイプには、2つあると言われています。
- 狩猟型
- 農耕型
ビジネスでは、
狩猟型:1回1回の契約を取る
農耕型:更新、顧問契約を取る
投資では、
狩猟型:利ざやを取る。
農耕型:配当金、分配金を取る。
不動産では、
狩猟型:売却益を取る。
農耕型:賃料収入を取る。
多くの場合、狩猟型と農耕型の混合型になりますが、狩猟型の割合が高いのか?農耕型の割合が高いのか?は人それぞれです。
不動産賃貸業が合わないと思った方は、狩猟型の特性が強い方かもしれません。
私の場合には、農耕型のやり方をしている時の方がストレスを感じにくいので、時間がかかったとしても、農耕型にしています。つまり、私は不動産賃貸業に向いていると言えるわけです。それでも、不動産賃貸業をやっていて、ストレスを感じることはあります!
さて、自分が狩猟型なのか?農耕型なのか?
一度、自分の人生を棚卸ししてみてはいかがでしょうか?
その上で、様々なことにおいて、成功したケースと失敗したケースでは、どちらのタイプが多かったのか?を分析してみましょう!
それでも、“大家さんになりたい”と思ったのであれば、次のように考えてみてはいかがでしょうか?
今後、不動産価格が上がるか下がるかは神のみぞ知るところですが、
“大家さんになりたい”という気持ちを持ったのであれば、不動産価格が下がった時に備えて、今からシミュレーションを行なっておくことをオススメします。
- 手元に毎月いくら残れば良いのか?
- 自分にとって、購入しても良い不動産とはどのような不動産であるか?
- 入居者に入ってもらうためには、どうすれば良いのか?
- 自分にとって、ストレスとなる部分は何か?(空室、入居者トラブルなど)
- 相談できる人や専門家は誰が良いのか?
まだまだあります。あげればキリがありません。
このようなことをコツコツやるのは、やはり農耕型の人が多いです。
認知症大家対策アドバイザー
岡田文徳
引用:
2019/6/10 16:00 日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45895530Q9A610C1QM8000/
不動産投資という単語は間違っている?
https://dimetel.jp/2019/04/08/re0/
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