高齢者をターゲットにする場合
高齢者をターゲットにすることを考えている人は多いと思いますが、なかなか簡単に手を出せるものではないと考えているでしょう。
高齢者をターゲットにするためには、高齢者向けの住宅を作り上げることが必要です。
高齢者向けの住宅とは、
(1)バリアありー
(2)介護事業者と連携した見守り
(3)介護等は提供しないこと
が肝心だそうです。特に聞き慣れていないバリアありーは理解しておくことをオススメします。
(1)バリアありー
高齢者をターゲットにしようと考えた場合、バリアフリーにしようと考えるかもしれません。しかし、あえてバリアありーにするそうです。バリアありーとは、段差等はあったとしても、安全対策を行なった状態です。
・段差を認識することによって、危険予知能力を維持することができるようになる。
・段差等を超えることによって、機能維持、日常生活において、機能を訓練することになる。
・転びそうになることによって、衰えを把握し、危険予知能力を再認識してもらうことになる。
このような状態で生活することによって、
危険予知訓練を行い、体力を維持させ、危険予知能力を向上させることができるということです。
一見、不親切なように思うかもしれませんが、バリアありーにすることによって、結果として、転倒に注意するようになります。転んだとしても、あざ程度で済むようになるそうです。
もし、高齢者が骨折してしまうと、致命的な入院になってしまいます。入院すると、筋力が衰えることになりますので、リハビリが必要になります。高齢者になると、回復に時間がかかるようになりますので、骨折は致命的になりかねないということです。
バリアフリーにするほうが、骨折する可能性が減少すると考えるかもしれません。しかし、危険予知能力と機能維持ができるかどうかが不安要素と言えます。そして、自分は大丈夫であるという慢心が生まれるかもしれません。部屋の中はバリアフリーなので、問題ないかもしれませんが、外出した際には、バリアフリーなところは多くありません。ほぼバリアありーな状態です。つまり、バリアフリーになれてしまうと、外出時はバリアありー状態であることを認識しなくなってしまうということです。そのため、転んだ際に骨折などの致命的な入院を引き起こす可能性が出てきてしまうということです。
したがって、あえてバリアありーにしておくことが必要であるということになります。
バリアありーの場合であれば、バリアフリーにする改修工事は必要ありませんので、新たに費用がかかることはありません。
ただし、高齢者をターゲットにするためには、デメリットもあります。
・高額な家賃が取りにくい。
・強制執行できるのか?
・賃貸借契約が相続されると厄介である。
働いている高齢者であれば、収入がありますので、収入に見合う家賃であるかどうかを確認することは容易です。しかし、年金暮らしの場合には、収入は年金しかありませんので、家賃を年金から支払う以外に方法がありません。年金で支払うことができる賃料に設定する必要があります。
家賃を滞納された場合には、強制執行することができるのかどうかがわかりません。強制執行した場合に、行く場所がなければ、強制執行することができないからです。
入居者が亡くなった場合、賃貸借契約は終了しません。相続人に引き継がれることになります。相続人が複数人存在すると、相続人全員から書面に捺印してもらわないと解約してもらうことができないということになります。また、室内の荷物を片付けてもらわなければなりません。大家側が勝手に処分することは許されませんので、注意が必要です。
さて、いわゆる孤独死に関しては、介護事業者等と連携することによって、リスクを減少することが可能だそうです。介護事業者だけではなく、宅配弁当や新聞配達など配達してもらうものを使用してもらうことでもリスクを減少できます。1つだけではなく、複数を組み合わせることによって、週に4日ほど誰かに確認してもらうことができれば、さらにリスクを減少させることができます。
高齢者をターゲットにするのであれば、事前に想定されることを洗い出した上で、対策を講じておけば、リスクを減少させることができます。
高齢者を入居させる一番のメリットは、長期入居してもらえるということです。長期入居してもらえると、不動産賃貸業としては、経営が安定しますので、大きなメリットであるといえます。
したがって、メリットを最大限に得るために、リスクを最小限にできる対策を講じておくということが必要であるということになります。
認知症大家対策アドバイザー
岡田文徳
参考:
賃貸住宅フェア2019 in 大阪
リスクを知れば怖くない高齢者向きの住宅の経営ノウハウ
高齢者になかなか貸したがらない!
https://dimetel.jp/2019/09/23/re15/
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