囲い込みについて、理解しておきましょう!

相続コンサルティング、不動産賃貸経営コンサルティングを行っていると、外出することが多くなります。様々なところにいきますので、それなりに体力を使うことになります。歳をとるごとに体力が減少していくということが世の中の定説ですので、少しでも体力を維持していくためには、体力作りを欠かすことができません。そのため、なるべく時間を作り、ジムでトレーニングしています。トレーニング後は、お風呂に入りながらストレッチを行なっています。

 

先日、トレーニング後に、お風呂に入りながら、ストレッチを行なっていたときに、隣の声が大きかったので、隣の人同士の会話が聞こえてきました。どうやら、不動産を売却した時の話のようでした。

 

Aさんが、不動産の売却をS社に依頼したそうです。S社とは、専任媒介契約を締結しました。しかし、いくら待っても、買主があらわれませんでした。そして、問い合わせが1件もないまま、専任媒介契約の期間である3ヶ月が経過したようです。Aさんは、S社に任せていたら、いつまでたっても売却できないので、S社との専任媒介契約を更新することなく、一般媒介契約として、様々な会社にお願いしたそうです。すると、2週間で売却することができたそうです。Aさんは、S社の担当者がまったく仕事をしていないことにご立腹でしたので、私の耳にまで聞こえてきたというわけです。

 

Aさんの話を聞いていたBさんは、

「囲い込み」というやつですよ!

とAさんに言いました。どうやらBさんは、「囲い込み」について知っていたようです。

 

それでも、Aさんは、買主を見つけてこなければ、S社に仲介手数料が入らないのだから、なぜ、仕事をしないのかが納得できなかったようです。Bさんもそれ以上のことは知らなかったようなので、話はここで終了しました。

 

さて、お風呂に入りながら、ストレッチをしつつ、思いも寄らないところで不動産の話を耳にしてしまった私は、どう思ったでしょうか?

・Aさんは、真面目な人で仕事ができる人なのだろう。

・Aさんが、S社との専任媒介契約を更新せずに、様々な不動産会社と一般媒介契約を締結し、不動産がすぐに売却できてよかった。

・思いも寄らないところで「囲い込み」の話が出てきて、びっくりした。

・Aさんに何度説明してあげようと思ったことか。(ちょっと興奮気味だったので、説明することをやめました。冷静な状態でしたら、ご説明したかもしれません。)

・Bさんは、「囲い込み」という言葉以上のことを知らなかったようだ。

 

前置きが長くなりました。不動産の相談を受けていないときに、「囲い込み」の話を耳にするとは思いませんでしたが、身近なところで起きていることを認識しました。

まだ、お伝えしていなかったので、今回は「囲い込み」について、お伝えしていこうと思います。

 

「囲い込み」を説明する前に、まずは仲介について理解しておく必要があります。

片手取引

売主のために、売主側の不動産会社が仲介を請け負い、買主のために、買主側の不動産会社が仲介を請け負う形です。

売買が成立したときには、

売主側の不動産会社は、売主から仲介手数料をもらう。

買主側の不動産会社は、買主から仲介手数料をもらう。

仲介手数料は、売買金額の3%+6万円(税別)です。

それぞれ片方から仲介手数料をもらうので、片手取引という言い方になります。

 

両手取引

売主、買主の両方から不動産会社が仲介を請け負う形です。双方から仲介を請け負うことは、通常の場合、利益相反関係になりますので、請け負うことはできません。しかし、売主、買主の双方がOKした場合であれば、双方の仲介を請け負うことが可能です。

売買が成立したときには、

売主側からも買主側からも双方から仲介手数料をもらうことができます。

仲介手数料は、売買金額の3%+6万円(税別)ですので、その2倍を1回の取引で得ることができます。

両方から仲介手数料をもらうので、両手取引という言い方になります。

不動産会社にとっては、両手取引のほうが1回で2倍の仲介手数料を得ることができるので、効率が良いと言えるでしょう。

 

囲い込み

不動産会社にとって、両手取引のほうが効率が良いわけです。両手取引をしたいと考えても、不思議ではありません。自分のところで売買をしてもらいたいので、売る主と専任媒介契約を締結します。すると、売主は、専任媒介契約を締結した不動産会社で売買することになります。これによって、売買が成立すれば、売主側からの仲介手数料をもらうことができます。

一方で、買主を見つけてこなければなりません。通常は、物件をレインズに登録します。レインズを見た不動産会社から連絡があり、細かい条件などの話になるわけです。しかし、「囲い込み」を行う場合には、成約していないにもかかわらず、両手取引にするために、レインズを見て連絡してきた不動産会社には、「成約した」などと言って、その物件がすでに無いように装います。

不動産会社ではない一般の人から問い合わせが来るまで待つわけです。

そして、レインズを見て連絡してきた不動産会社があったにもかかわらず、売主には、問い合わせが1件も無いと伝えることになります。

このままでは、買主があらわれないので、不動産会社に仲介手数料が入らないと思うのが、普通の人です。このままでは、売買が成立しませんので、不動産会社に仲介手数料が入りません。

 

売主も問い合わせが1件も無いと、売却することができないと考えるでしょう。そうです、「囲い込み」を行う不動産会社は、これを狙っているのです!

売主に問い合わせがないのは、売却金額が高いからだと思いますと告げます。相場よりも売却金額が低くなれば、売却しやすくなります。

不動産会社ではない一般の人から問い合わせも増えます。

「囲い込み」を行う不動産会社は、営業努力をまったくすることなく、買主を見つけることができ、両手取引することができるというわけです。つまり、「囲い込み」を行う不動産会社の担当は、営業するわけがないということです。売主が売却価格を下げるまで、ずっと待っているわけですから。

 

先ほど、レインズを見て連絡してきた不動産会社には、「成約した」などと言って、その物件がすでに無いように装うと言いました。この場合には、「囲い込み」を立証することができるかもしれません。

しかし、「担当が不在です」「担当が取り込み中です」「担当が外出中です」などと言われた場合には、「囲い込み」を立証することは難しくなります。「囲い込み」から脱して、適正に売買してもらえる不動産会社にお願いすれば良いのです。

 

「囲い込み」だとわかったら、上記Aさんのように、

一般媒介契約で様々な会社にお願いする

という方法があります。非常に有効な方法です。

Aさんは「囲い込み」を知らなかったけれども、おかしいと思い、不動産会社を変更した。これによって、「囲い込み:から脱することができ、不動産を無事に売却することができたというわけです。

 

Bさんは「囲い込み」ということを知っていたけれども、細かいことまで知らなかったので、Aさんに説明することができなかったというわけです。

 

その場で聞いていた私としては、Aさんが無事に囲い込み」から脱して、不動産を売却することができたことがわかった時点でホッとしました。

 

最後に意外と知られていないこととしては、「囲い込み」は、宅地建物取引業法の違反ではなく、レインズでの罰則規定に該当するということです。ただし、罰則規定があるだけで、対策が完璧であるとは言えないのが現状です。

 

 

認知症大家対策アドバイザー

岡田文徳

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