大家としては考えたくありませんが、家賃減額は交渉されるかもしれません。
コロナウィルスによる緊急事態宣言が発令されてから、2週間が過ぎました。未だに感染が抑えられることなく、感染者が増え続けていることは、残念でなりません。
医療従事者の方々には、心から感謝いたします。
我々は、感染しないように、日々の生活から体調を整えることを心がけていくことが求められると考えております。
ここまでの状況になるとは、考えもしませんでした。
現在、弊社では、ほぼすべてをZoomを使用して、対応しております。Zoomで対応することができることが多いので、外出自粛することができます。
しかし、Zoomでは対応できない仕事をやられている方は、大変というレベルではないと思います。弊社で役に立つことがあれば、ご協力させていただきたいと考えています。
さて、不動産賃貸業においては、いわゆる繁忙期が終了しました。
弊社の感覚では、今年の繁忙期は、退居が少なかったです。ありがたいことですが、退居がなかったからといって、安心してはいられません。
緊急事態宣言が解除されてから、退居されてしまうと、入居者を見つけるまで、通常よりも時間がかかると予想しています。
対応策を考えておかなければなりません。
対応しなければならないことは、山ほどあります。
すでに対応している方は、数多くいると思いますが、対応が遅れている方は、確認することをオススメいたします。
特に、下記に示す3つは、必ず確認しましょう!
(1)手元に現金がどれくらいあるか?を見直す。
(2)賃料減額に対する対応を考えておく。
(3)家賃滞納対策を行う。
(1)手元に現金がどれくらいあるか?を見直す。
物件数、物件のタイプによって、どれくらいの現金が必要であるか?は異なります。原状回復、設備の修理、購入などを行う費用は、賃料が入らなくても可能であるように、最低限準備しておくことが必要です。また、空室になった場合、原状回復までに時間がかかるかもしれません。職人が手配できたとしても、資材が届かないことも考えられます。さらに、内見数も少なくなると考えられますので、通常よりも空室期間が長くなると考えられます。通常時には1ヶ月で埋まる物件であったとしても、2ヶ月以上かかる可能性もあるでしょう。
したがって、手元に現金が必要になると考えられます。
もし、手元にある現金が不足するようであれば、
やらないほうが良い方法ではありますが、黒字倒産状態になるわけにはいきませんので、対応するより他にありません。
・金融機関などから借りる。
・金融機関に返済を猶予してもらう。
(2) 賃料減額に対する対応を考えておく。
現在、休業要請の対象となっている業種のテナントからは、賃料を減額、場合によっては、一定期間免除してほしいとの交渉がされるでしょう。大家側としては、賃料を支払ってもらわないと立ちいかないので、支払ってもらいたいところですが、テナントに退居されてしまっては、元も子もありません。いって期間の賃料減額は、考えておくべきでしょう。
しかし、大家側として、賃料を減額する条件を明示しておくことが必要であると考えます。
・様々な方法を用いて、資金を調達することを進めてもらう。
・期間を決める。
・覚書などの書面で約束する。
詳細は、交渉になると思います。大家側として、対応できる範囲で対応しましょう。覚書などの文面は、弁護士、司法書士に依頼することをオススメします。
(3) 家賃滞納対策を行う。
住居として、借りている入居者において、自分の物件の入居者の属性によって、対応が異なります。特に、低所得者層や非正規社員が入居している場合には、賃料を支払えなくなる可能性が高いです。賃料が支払えないからといって、すぐに退居してもらえる訳ではありません。通常時には、3ヶ月滞納したら、やっと滞納を理由に退居してもらうことが可能であると言われています。通常時は、裁判所が動いていますので、スムーズに対応してくれるかもしれません。
緊急事態宣言が発令されている現在では、裁判所の業務についても完全にストップしています。
緊急事態宣言が解除されたとしても、業務が100%の状態に戻るかどうかはわかりません。通常時よりも退居してもらうまでの期間が長くなるかもしれません。大家としては、とても困ります。一方で、大家にとっては、賃料を支払ってもらえる限り、入居者にはいてもらいたいと考えます。そこで、一時的であっても、入居者に資金が入る方法を伝えることは行っておくべきであると考えます。もしかしたら、入居者は、賃料を支払うどころか生活することすらままならない状態かもしれません。
多くの入居者は、生活が困窮した場合における資金について、知りません。
まずは、入居者のために、情報を提供するところから始めましょう。
物件の管理を管理会社に任せている大家さんもいるでしょう。管理会社に任せているから大丈夫と思わずに、大家側から確認しましょう。
管理会社もリモートワークを行わざるを得ない状況となり、すべてを把握できているわけではありません。
行政がどのような対策を出しているのか?を把握できていないかもしれません。管理会社にも伝えましょう。
最後に
通常時では、賃料を減免した場合には、寄付金扱いとなっております。しかし、今回のコロナウィルスにより賃料を減免した場合には、損金扱いができる可能性があります。賃料の減額、免除を行なう場合には、税理士などに相談し、損金扱いができる条件を確認した上で、賃料の減額、免除を行いましょう。
一刻も早く、コロナウィルスが沈静化し、みなさまの生活が元に戻ることを心から祈っております。
認知症大家対策アドバイザー
岡田文徳
参考:
経産省 持続化給付金
中小企業庁 セーフティーネット4号、5号
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_4gou.htm
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_5gou.htm
東京信用保証協会
https://www.cgc-tokyo.or.jp/cgc_covid-19_info_2020-3.pdf
日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_m.html
東京都産業労働局 感染拡大防止協力金
緊急小口資金(東京)
https://www.tcsw.tvac.or.jp/activity/documents/201705kinkyuukoguchi.pdf
厚生労働省 住居確保給付金
https://www.mhlw.go.jp/content/000605807.pdf
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0914_shiryou03_1.pdf
経産省 固定資産税・都市計画税の軽減
国土交通省 賃料減免における税務上の扱い
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