入居率に注意!
今まで本HPにおいて、不動産のコラムを70本以上書いてきた中で、まだ伝えていないものがありました。
それは、購入時に注意するべきこと
入居率
です。
入居率とは、文字どおり
部屋数に対する入居している部屋の割合
です。
いうまでもないことを今さらと思うかもしれません。
しかし、使う人によって、解釈が異なる場合があります。
解釈が異なるポイントがあります。
(1)入居率を算出した時期
(2)入居率の算出方法
(1)入居率を算出した時期
入居率という数字を算出しているにもかかわらず、入居率を算出した時期については、一切記載がありません。
・2019年の年間での入居率であるのか?
・2020年の1月での入居率であるのか?
・2020年1月1日での入居率であるのか?
・2020年3月31日での入居率であるのか?
(2020年においては、1-3月は繁忙期ではありませんでした。)
すべて数字が異なります。
入居率などを数字で表すことを統計データと言います。統計データの場合、必ず算出条件を示さなければなりません。
私は、元々理系出身であり、研究室で研究に携わっていた経験があります。データの話をするときには、必ず根拠となる算出条件を示さなければなりません。前回と同様なデータが出た場合においても、算出条件が同じであることを必ず確認します。
前回と異なるデータが出た場合には、異なるデータになった理由を理解しなければなりません。特に、算出条件が異なるのであれば、そもそも異なる実験を行ったということになります。算出条件は非常に重要なものになります。
さて、入居率においては、一切、算出条件を示されておりません。
算出条件を示されていたとしても、算出条件になっていないことがほとんどです。多くは、「当社調べ」です。
すべてのデータを出して欲しいとは言えないでしょう。
その会社が調べたときには、そのデータなのかもしれません。
細かい条件は教えてくれません。もしかしたら、良い数字を拾ってきただけかもしれません。
入居率だけでなく、相手側から出されたデータを鵜呑みにすることはやめましょう!
(2)入居率の算出方法
入居率の算出方法は、
部屋数に対する入居している部屋の割合
であり、問題があるのか?ということです。
例えば、
1棟20室ある物件において、
入居している部屋が18室であったとします。
すると、入居率は、
90%
です。
問題ありませんか?
問題ありませんね!
本当でしょうか?
入居している部屋が18室のうち、
4室は2ヶ月以内に入居した人たちであり、
フリーレント期間が2ヶ月であるとすれば、
4室においては、賃料を支払ってもらっていませんから、実質的に空室であることと同じ状況といえるでしょう。
すると、実質的な入居率は、
70%
になります。
もし、あなたがこの物件を購入した場合、
1ヶ月も経過しないうちに4室が空室になる可能性が非常に高いと言えます。
すると、入居率は、
70%
になります。
購入直後にいきなり6室を埋めなければならなくなるという状況になるわけです。レントロールの上っ面だけ見れば、入居率は、90%です。
確かに、この物件を購入した直後に退居することがないとは言えません。
しかし、明らかに意図的と思える退居があった場合、あなたはどう思いますか?
・騙された?
・やられた?
・確認しなかった自分が悪い?
ある意味、騙しているのでしょうが、法律上、騙されたと立証することができるかどうかは別問題です。あなたが法律上、騙されたと立証することができなければ、裁判を行なっても無駄に終わるでしょう。
やられたと思うのであれば、先に確認しておくべきであったとしか言いようがありません。
確認しなかった自分が悪いと思うのであれば、空室を埋めるために、あらゆる手段を行いましょう。
残念ですが、不動産業界には、まだまだこのようなことをする人たちがいます。確かに、食い物にするような人たちが良いとは思えません。
しかし、購入する側が気をつけていれば、少なくとも自分は被害にあうことはないわけです。また、気をつけている購入者ばかりになれば、食い物にするような人たちは獲物がいなくなるわけですから、生きていくことができなくなるのではないでしょうか?
ですから、不動産を購入することを考えているあなたが、被害にあわないためには、確かな知識と信頼できる人脈を作ってから、不動産を購入することをオススメします!
認知症大家対策アドバイザー
大家の悩み解決アドバイザー
岡田文徳
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