サブリースはやるべきか?やらざるべきか?

2018年から不動産に関するニュースが数多く報道されています。その中でも、サブリースに関しても数多く報道されました。あたかもサブリースが悪いように報道されていますが、本当にサブリースという制度が悪いのでしょうか?

サブリースというものを理解した上で、悪いものであるのか?を決めた方が良いと考えます。

まず、不動産の管理方法としては、3つの方法があります。

(1)自主管理

(2)管理委託

(3)サブリース

になります。

(1)自主管理

自主管理は、自分自身で管理を行う方法です。

メリットは、不動産管理会社を入れないので、管理委託費がかかりません。その分、キャッシュフローが増えます。

また、原状回復や工事等を行う場合には、自分で行うことでコストを削減することができます。工事業者に頼む場合でも、直接依頼することによって、工事業者との信頼関係を構築することによって、色々と融通してくれる可能性があります。

デメリットは、入居者からクレームがあった時には、直接大家に対して、連絡が来ますので、対応することが必要です。いつどこにいようと連絡が来る可能性がありますので、すぐに対応できるようにしておく必要があります。自宅から近い場所でないと対応することが難しいと言えるでしょう。

入居者と言い合いになってしまう可能性がある人は自主管理を避けた方が良いでしょう。また、入居者の要求を鵜呑みにしてしまう人も自主管理を避けた方が良いでしょう。

工事業者を自分ですべて見つけなければなりません。そして、自分ですべて見極めなければなりません。

サラリーマンのように本業が別にある人で、不動産賃貸業以外が忙しい人は、自主管理は向かないでしょう。

(2)管理委託

管理委託は、不動産管理会社に管理をお願いする方法です。

大家が物件から遠隔地に住んでいる場合やサラリーマンのように本業が別にある人で不動産賃貸業以外が忙しい人の場合には、すぐに現場を確認することができません。管理委託のメリットは、物件近くの不動産管理会社であれば、すぐに現場を確認することができ、対応してもらえるということです。つまり、大家自身が動かなくても、不動産管理会社に依頼することができるということです。

デメリットは、賃料の5%を管理委託費として、不動産管理会社に支払う必要があります。また、不動産管理会社が管理委託契約書の内容に関する業務をしっかり行なっているかどうかを大家自身がきちんと確認しなければならないということです。すごく当たり前のことですが、大家自身がきちんと確認せずに、丸投げしていると、不動産管理会社は手を抜くことが多いです。何を確認すれば良いかということも大家自身が理解していなければなりません。

つまり、大家自身が動かなくても、不動産管理会社とビジネスパートナーとして、動いてもらえる関係性であるということが必要です。

(3)サブリース

サブリースは、不動産管理会社が借りて、入居者を探してくる方法です。

メリットとしては、大家は何をしなくても良いです。借りている不動産会社が空室分を負ってもらえるということです。

デメリットは、賃料の90%が大家に支払われることになります(85%の場合もあります。)。しかし、忘れてはいけない最大のデメリットは、借りている不動産会社が借地借家法上の借主になるということです。借地借家法では、貸主(大家)は、正当自由がなければ、サブリース契約を解約することができません。貸主側の正当事由がなかなか認められません。

一方で、借主(不動産会社)からは、サブリース契約を解約しやすい状況です。

これが意味するところをしっかり理解することが必要です。

さらに、サブリース契約における賃料についても理解しておかなければならないことがあります。賃料は、賃料相場に従うことになります。そのため、借主が借りる賃料が相場よりも高い場合には、賃料を減額される可能性があります。

貸主は、金融機関から借り入れをしているわけですから、賃料が減額されると返済が難しくなるケースがあります。賃料を減額させないようにできるかというと難しいと言わざるを得ません。それは、最高裁の判例でサブリースの借主が不動産会社であっても、借地借家法に基づき、借主としての地位が認められているからです。貸主である大家よりもサブリースの借主が不動産会社の方が情報や知識で上回っているにもかかわらず、貸主の方が弱い立場になってしまうということです。つまり、サブリースの借主である不動産会社が借地借家法を悪用しているのではないかと思われても仕方ない状況にあると言えます。

そのため、世の中では、サブリース自体が悪であるという情報になっている状況です。これは、サブリースの借主である不動産会社が借地借家法を悪用していることが問題であって、サブリース自体が問題であるわけではないということをきちんと理解するべきであるということを意味しています。誤解しない方が良いと思います。

それでは、どういう場合に3つの方法が当てはまるのでしょうか?

大家側としては、入居者が決まりやすいエリアであれば、管理委託契約で問題ないと考えます。自主管理を選択しても良いと考えます。入居者が決まりにくいエリアであれば、サブリースを選択しても良いと考えます。

一方で、サブリース会社としては、入居者が決まりにくいエリアでわざわざサブリースをしたいとは思わないでしょう。サブリースは、貸主から安く借りて、入居者に高く貸すことで、利ざやを得るビジネスモデルだからです。入居者が決まりにくいエリアでは、入居者に高く貸すことが難しく、空室になる可能性も高いため、リスクをとって、サブリースをやっても、利益を得られないからです。

私としては、サブリースという方法がうまく機能するものであれば、有効な方法であると思います。しかし、現実はサブリースという方法がうまく機能しておりません。むしろ、大家を食い物にしていると言っても良い状況と言えるかもしれません。

また、サブリースをすると、完全に丸投げ状態となり、経営者としての視点がなくなります。不動産賃貸業は経営です。経営者は、経営を丸投げしてはいけません。サブリースをしたとしても、経営者として、しっかり経営をしていくことが可能でされば、サブリースを行なっても良いと考えます。しかし、完全に丸投げしようと考えているのであれば、サブリースを行うことは避けるべきです。管理委託によって、不動産賃貸業の経営者として、経営を行うべきであると考えます。

2018年から不動産に関するニュースが数多く報道されています。その中でも、サブリースに関しても数多く報道されました。不動産賃貸業の経営者として、経営をもう一度考え直す良い機会にしてもらいたいと考えます。

認知症大家対策アドバイザー

岡田文徳

 

引用:

2019/3/9 11:07 日本経済新聞 電子版

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42251560Z00C19A3CC0000/

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