不動産の売買トラブルを防ぐためには・・・
不動産の売買に関わらず、トラブルになることは“言った”“言わない”ということであると思います。不動産の売買においては、言った”“言わない”が隠れた瑕疵に当てはまるのか?当てはまらないのか?ということでしょう。賃貸住宅フェアin 九州では、その方法として、インスペクションが有効であり、少しずつではあるが、普及してきたという話がありました。
日本では、まだまだインスペクションを使うケースは少ないように思われますが、欧米では、不動産取引において、インスペクションを使う割合は、7〜9割だそうです。インスペクションを使う理由は、主に下記に示す3点になります。
- 建物の劣化状況を確認する。
- 補修すべき箇所を確認する。
- おおよその補修費用を見積もる。
確かに、中古不動産を購入するにあたり、上記に示す3点は最低限、わかっていないと購入した後のリスクを把握することはできません。買主側は、購入後に所有するわけですから、購入した後のリスクを把握しなければなりません。一方で、売主側は、売却後には手元から離れておりますので、なんともしようがありません。売却後に、何かあった時には、瑕疵担保責任を問われるリスクがあるということです。
それでは、買主と売主のどちらがインスペクションを依頼するのでしょうか?
どちらからもインスペクションを依頼する理由がありますが、圧倒的に買主側からの依頼が多いそうです。買主がインスペクションを依頼する理由は、下記に示す5点があるそうです。
- 見えない部分を確認してもらいたい。(何かの前兆ではないのか?)
- トラブル防止とリスクヘッジしたい。
- 施工不良がないか?を確認してもらいたい。
- 補修費用を把握したい。
- 利害関係のない人から情報を得たい。
4つ目までは、予想がつくものだと思いますが、5つ目は聞いて納得しました。宅地建物取引業法では、
第三十四条の二
四 当該建物が既存の建物であるときは、依頼者に対する建物状況調査を実施する者のあつせんに関する事項
(カッコ内は省略)
という記載がされているだけです。つまり、売却したいがために、売主側の紹介において、売主に有利な調査結果を提出する場合もあり得る状況であるということです。それでは、インスペクションを行う意味がありませんので、“利害関係のない人から情報を得たい”というニーズは至極当然と言えます。もちろん、買主側に有利な調査結果を提出する場合もあり得る状況ですので、第三者として、中立な立場であることが重要であると考えます。
最後にそもそも論になりますが、
インスペクション(建物状況調査)は、誰ができるものでしょうか?
“既存住宅状況調査技術者講習”を修了した“建築士”が
“既存住宅状況調査方法基準”に従って行うものです。
また、確認する項目は100項目以上になります。壁のひび割れは、ひび割れの大きさを明記して、補修が必要であるのか?必要であれば、補修費を見積もるということになります。壁、床の傾きをある一定の距離間において、測定するそうです。現在では、レーザーを使うことによって、正確に測定が可能になります。このように、上記の条件に見合っていないものは、インスペクションしたことになりませんので、ご注意ください。
認知症大家対策アドバイザー
岡田文徳
参考:
賃貸住宅フェアin 九州
セミナータイトル「売買トラブルを防ぐ「インスペクション」正しい知識と活用法」
宅地建物取引業法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」を閣議決定
http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000143.html
改正宅地建物取引業法の施行について
https://www.mlit.go.jp/common/001201151.pdf
宅地建物取引業法
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=327AC1000000176#416
インスペクションは普及しないのか?
https://dimetel.jp/2019/07/03/re8/
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