なぜ、相続税対策に不動産が使われるのか?

みなさま、相続の事前対策と言われると何を思い浮かべるでしょうか?

多くの方は、相続税の圧縮対策を思い浮かべると思います。

しかし、相続の事前対策は5つ存在することを頭に入れておくことが必要です。

(1)相続税の圧縮対策

(2)相続財産の分割対策

(3)相続税の納税資金対策

(4)認知症対策

(5)相続財産の承継者対策

一見すると、必要なさそうなものまで、存在しているように考えられますが、実際に相続が生じた時に事前に対策しておけばよかったという声を非常に多くお聞きします。

みなさまは、いくつ対策を行いましたか?

相続の事前対策が必要な方は、早めに対策を講じることをオススメいたします。

5つの相続の事前対策は、どの項目も重要なものです。特に、我が国は超高齢化社会になりつつありますので、(4)認知症対策を講じる必要が出てきています。

 

とは言っても、今回は、みなさまが一番興味があると考えられる相続税の圧縮対策についてお話していきます。

まず、相続税の圧縮対策を行う前に、一番重要なことがあります。

みなさまの場合に本当に相続税の圧縮対策が必要であるか?ということです。

相続税の圧縮対策が必要と思ったとしても、各種特例や控除を使用することにより、相続税を支払う必要がないと予測される方もいらっしゃいますので、相続税の事前対策を行う前に必ず確認してください。

 

それでは、相続税の圧縮対策が必要であると予測された場合、数多く使用される方法は、不動産を購入することです。特に、賃貸用の不動産を購入することを行います。

不動産を購入するので、借り入れを行う場合が多いです。

ただし、借り入れを行うことが相続税の圧縮対策であると勘違いしている方がいらっしゃいます。借り入れを行っても相続税の圧縮対策にはなりません。

金融機関から5000万円借り入れたとしても、金融機関の口座に5000万円入れたままであれば、5000万円の現金と5000万円の負債を同時に所有しているだけなので、差し引きゼロです。(利息分は考慮しておりません。)

金融機関から借り入れた5000万円を用いて、不動産を購入することによって、相続税の圧縮対策になる可能性が出てきます。

5000万円で購入した不動産の相続財産としての評価額が5000万円よりも低い評価額になれば、相続財産の圧縮効果があったということになりますので、相続税の圧縮対策となるわけです。

また、賃貸不動産の土地の評価では、貸付事業用宅地等に該当すれば、小規模宅地等の特例を受けることができる可能性があります。

(相続財産における不動産の評価額においては、様々な計算を必要とします。詳細は、国税庁のHPもしくは税理士に依頼してください。)

したがって、相続税の圧縮対策では、相続財産を圧縮することが必要であるということです。

 

相続税の圧縮対策では、注意するべきことが多いですが、新たに注意するべきことが増えました。平成30年度の税制改正大綱には、次のように示されています。

貸付事業用宅地等の範囲から、相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等(相続開始前3年を超えて事業的規模で貸付事業を行っている者が当該貸付事業の用に供しているものを除く。)を除外する。

 

事業的規模の基準は何かというと、5棟10室といわれています。青色申告を行うときの青色申告控除における65万円の控除が受けられる基準です。

今回の税制改正大綱によると、不動産を購入しても、3年以内に事業的規模で不動産の貸付事業を行っていないと貸付事業用宅地等は適用されないことになりました。亡くなりそうだから、焦って不動産を購入しても、事業的規模でなければ、認められません。

人間いつ亡くなるかはわかりませんから、相続税の圧縮対策が必要な方は、早めに対策を講じることをオススメいたします。

ただし、不動産を購入しても、入居者が入らないような不動産を購入しても意味がありません。購入前に事業収支を確認するとともに、周辺の状況も調査することをオススメいたします。

 

認知症大家対策アドバイザー

岡田文徳

 

 

参考:

国税庁HP(小規模宅地の特例)

https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm

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