不動産賃貸業における法人化を考える!

不動産賃貸業をやっていると、

・個人のままが良いのか?

・法人化したほうが良いのか?

迷うことがあると思います。個人でも、法人でもどちらでも構いません。ただ、法人化するのであれば、目的と理由を明確にしておいたほうが良いと考えます。

 

法人化のメリットとして、よく言われるのは、課税される所得金額が800万円を超える場合には、法人化したほうが所得税に関するメリットがあるということです。所得税に関するメリットを得ようと考えた場合には、個人として不動産以外の収入がある場合もあると思いますので、自分で判断するのではなく、税理士に相談することをオススメします。

 

法人化のメリットはこれだけではないと考えます。

法人化すると、法人の役員になりますので、不動産賃貸業の経営者という意識が出てきやすいと考えます。

不動産賃貸業を経営者として、大規模修繕、原状回復の費用などのために、手持ち資金を確保しておくことは必要です。大規模修繕を行うときに大規模修繕の資金の全額を借りることができ、キャッシュフローを圧迫しないのであれば、問題ありません。しかし、金融機関の融資状況や物件の状況など様々な状況によって、全額を借りることができない可能性もあります。そのため、大規模修繕の時期を事業計画に入れ、大規模修繕の費用を見積もり、資金を用意しておかなければなりません。また、大規模修繕の前に売却する予定であったとしても、売却額が予定通りに行くとは限りません。売却時期を逃して、大規模修繕しておかなければ、売却金額が低くなったり、売却することが難しい物件になってしまう場合もあるでしょう。売却するから大規模修繕のことを考えなくても良いわけではありません。

 

大規模修繕には、物件にもよりますが、高額なお金がかかります。毎月の賃料から少しずつ積み立てておく必要があります。口座にお金があると、使ってしまうかもしれません。毎月の賃料から少しずつ積み立ておいても、使うことはできないお金ではあっても、経費にはなりません。そこで、たとえば10年後に大規模修繕を行う事業計画になっているのであれば、経営セーフティ共済を活用するというやり方があります。

毎月5,000円から20万円までの範囲で、掛金800万円まで積み立てることができます。戦略的に800万円を積み立てることができ、大規模修繕の時期に合わせて、解約することで解約手当金を受け取ることができます。その代わり、掛金を40ヶ月以上納付しなければ、解約手当金を100%受け取ることができませんので、注意が必要です。

また、法人の場合、経費に参入することもできますので、毎月の賃料から少しずつ積み立ておいても、使うことはできないお金を経費として、計上することができるでしょう。経費計上するときには、自分で判断するのではなく、税理士に相談の上、行うことをオススメします。

 

ここまで法人化のメリットをお伝えしてきたわけですが、実は法人化の最大のメリットは、税金面ではないと考えています。法人化の最大のメリットは、経営判断できる人を複数人にすることができるということです。不動産賃貸業を事業承継することや万が一の時に備えて、経営判断できる人をおいておくことが重要なことです。昨今は、災害などが多く、何が起こるかわかりません。大家側に何があろうと、入居者には関係ありません。不動産賃貸業の経営者として、経営判断できるようにしておくことは非常に重要なことです。

 

個人できる範囲であれば、わざわざ法人化する必要がないこともあります。経営判断できる人が複数人いる必要がなければ、法人化する必要はないかもしれません。法人化の目的と理由を自分自身の中で明確にしておくことが重要であると考えます。

 

 

認知症大家対策アドバイザー

岡田文徳

 

 

引用:

賃貸住宅フェア2019 in 東京

サラリーマン家主も知っておきたい資産形成術!

 

経営セフティー共済

https://www.smrj.go.jp/kyosai/tkyosai/index.html

なぜ、相続税対策に不動産が使われるのか?

https://dimetel.jp/2019/09/04/ih4/

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