単純承認について知る!

相続が発生すると、選択肢は3種類あります。

・単純承認

・限定承認

・相続放棄

 

今回は、単純承認についてお伝えします。

世の中でいわれている相続は、ほとんどの場合、単純承認のことを示しています。

単純承認は、相続発生後に何もしなければ、単純承認になります。特段、単純承認するために手続きが必要なわけではありません。しかし、本当に単純承認するかどうかは、検討した上で行う必要があります。相続発生後から検討しても遅いと言わざるを得ません。必ず生前に検討した上で、単純承認を選択することができるように理解しておくべきです。

 

単純承認とは、プラスの財産もマイナスの財産も両方を引き継ぐことになります。相続税の対策において、金融機関から融資を受け、不動産を購入することを行うことが多いですが、このようなケースは、相続人が単純承認することを前提としているものです。

 

士業の先生であれば、民法を知っていると思いますが、士業でなければ、民法を知っている人、理解している人は少ないでしょう。ここで、単純承認に該当する部分を確認したいと思います。

 

民法第920条(単純承認の効力)

第九百二十条 相続人は、単純承認をした時は、無限に被相続人の権利義務を承継する。

 

単純承認する前に気をつけるべきこと1

無限に権利義務を承継するという部分が怖いです。

プラスの財産であれば、何も問題ありません。

マイナスの財産であっても、目に見えるものであれば、単純承認するのではなく、相続放棄するという場合もあるでしょうし、相続税の対策で借り入れを行なっている場合のように単純承認する場合もあるでしょう。

怖いのは、マイナスの財産の中で、目に見えないものや確定できていないものがある場合です。

例えば、連帯保証債務です。

連帯保証債務は、相続時には債務として出てきていないかもしれません。また、相続時に連帯保証債務が確定しているとは限りません。連帯保証債務が確定していなければ、民法ではなく、相続税の問題として、相続時の債務、つまりマイナスの財産として、参入することができないということを意味します。

 

さらに、相続時に目に見えないものや確定できていないマイナスの財産があり、単純承認した後に、相続時に目に見えないものや確定できていなかったマイナスの財産が確定した場合には、単純承認した相続人は、債務を支払わなければなりません。

相続時に目に見えないものや確定できていないマイナスの財産をなるべく見える化しておくことが重要でしょう。

 

 

単純承認する前に気をつけるべきこと2

単純承認するつもりはなかったけれど、単純承認したものとみなされてしまう場合

があります。

 

民法第921条(法定単純承認)

第九百二十一条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認したものとみなす。

一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りではない。

二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。

三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となったものが相続の承認をした後は、この限りではない。

 

限定承認や相続の放棄を行う前に、相続財産の処分を行ってしまうと、単純承認したものとみなされてしまうところが注意するべきところです。

 

処分は、どのようなものが該当するかというと、

・売却や贈与

・株主総会において相続人が行う議決権行使

・準確定申告の提出

・生存中の給付金の受取 (死亡保険金は受け取っても問題ない。)

 

処分してしまった場合には、相続発生から3ヶ月の経過に関係なく、単純承認したものとみなされます。

単純承認する予定がなかったにもかかわらず、単純承認したものとみなされてしまわないように注意しましょう!

 

認知症大家対策アドバイザー

岡田文徳

 

参考:

相続事例研究

税理士法人レティング

 

民法

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089

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