消費税還付をやろうとしている人は気をつけましょう!

今まで、不動産賃貸業を行なっている人において、いわゆる消費税還付スキームを使って、消費税還付を行なっていた人はいるでしょう。

特に、相続税対策と同時に、新規法人を設立して、消費税還付できるようにスキームを組んでおくやり方が流行っていました。

様々なセミナーで話をしている人や大々的にやっている人もいたようです。そのため、国税庁が許さなかったのでしょう。

 

不動産賃貸業と消費税との関わりを理解していきましょう!

消費者としては、消費税を支払うだけですが、事業を行なっている人であれば、消費税を受け取ることがあります。

そして、不動産賃貸業において、

原状回復、修繕など支払うものに関しては、消費税を支払うことになります。

 

一方で、賃料に関しては、消費税をもらう場合と消費税をもらわない場合があります。

住宅の場合には、賃料にかかる消費税はありません。

住宅以外の場合には、賃料にかかる消費税があります。

消費税をもらう場合と消費税をもらわない場合の違いを理解しなければなりません。

 

特に、消費税還付を行いたいと考えられるのは、新しく不動産を購入する場合です。

建物には、消費税がかかりますので、多額の消費税を支払うことになります。

一方で、賃料に関して、住宅の場合には、賃料にかかる消費税はありませんから、消費税を受け取ることができません。

事業として、消費税を受け取らなければ、消費税を還付してもらうことはできません。つまり、消費税を受け取る事業を行わなければならないということです。

 

スキームを記載しても、使うことができませんので、省略しますが、

金の取引を行うことによって、

・消費税を支払う

・消費税を受け取る

ことができます。

日本では、金の取引には、消費税が課せられますので、消費税を受け取る事業とすることができるというわけです。

 

私も様々なセミナーで聞いたことがありますが、いつ消費税還付スキームができなくなるかわからなかったので、手を出しませんでした。また、コンサルティングすることもありませんでした。

 

このスキームを使うのであれば、金取引を事業として行わなければなりません。

しかし、不動産賃貸業は、不動産を賃貸する事業を行うのであって、金取引を事業として行うものではありません。

消費税還付を行うために、事業の本質が変わってしまうことになります。これでは、何のために消費税還付を行うのか?わかりません。事業の本質を見失ってしまうからです。

ですから、消費税還付スキームのようにテクニカルな方法は、オススメできません。

 

そして、テクニカルな方法は、一見、効果があるように見えます。現に、効果があるからこそ、テクニカルな方法として、紹介されています。

しかし、テクニカルな方法は、法律や税制が改正されると、使うことができなくなります。これが、テクニカルな方法の大きなデメリットです。

 

テクニカルな方法で流行ったものでは、一般社団法人を使った相続スキームがありました。

しかし、2018年に改正された特定の一般社団法人等に対して、相続税が課税されることになりました。

 

人間ですので、楽な方法や一見、効果がある方法に手を出したくなる気持ちは、非常によくわかります。

それでも、何のために不動産賃貸業を行うのか?

目的を明確にしておき、事業の本質を見失ってしなわないようにするべきであると考えます。

もう一度、見直してみてはいかがでしょうか?

 

認知症大家対策アドバイザー

岡田文徳

 

参考:

2019/11/30 22:21 日本経済新聞 電子版

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52829520Q9A131C1EA2000/

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