家族信託®ありきで考えている人に依頼することはやめよう!
家族信託®が普及してきていることは、非常に喜ばしいことであると考えています。一方で、なんでも家族信託®に当てはめようとする人もいます。果たして、本当に家族信託®だけが解決策なのだろうか?と疑問に思わざるを得ません。
私は、家族信託®だけが解決策になることはないと考えています。家族信託®だけが解決策なるパターンもあれば、家族信託®を使う必要がないパターンもあります。家族信託®と異なるものを併用するパターンもあります。クライアントの状況によって、クライアントの問題も希望も異なるからです。家族信託®はクライアントの問題点を解決するための一つの手段でしかありません。
みなさまの状況をヒアリングした上で、最良である方法が家族信託®であるということであれば、自信を持って提案するべきであると考えます。家族信託®はみなさま一人一人に対して、オーダーメイドで案を提案するものです。そのため、時間と費用がかかるわけです。
家族信託®ありきで考えている人はどのように考えているのでしょうか?
家族信託®をみなさまに行なってもらうと、高い料金を請求することができます。ここで、みなさま一人一人に対して、オーダーメイドで案を提案するために、時間と費用をかけるのであれば、適正であると考えられますが、このような人は異なります。
このような人は、時間をかけずに雛形を作成しておき、高い料金で受注しようとします。そもそも、みなさまの状況によって、みなさまの問題も希望も異なる状況において、一人一人に対して、オーダーメイドで案を提案するものです。家族信託®の案件を数多く手がけている事務所であれば、パターン分けした雛形に近いものは存在するかもしれません。しかし、みなさまの状況によって、みなさまの問題も希望も異なる状況を型にはめる雛形は存在しないと考えた方が良いと思います。
家族信託®ありきで考えている人は無理やり型にはめる雛形を使って、効率的に高い料金で受注して、利益をあげようと考えています。このような状況は、家族信託®の依頼をしたみなさまのためになるものでしょうか?
家族信託®は、依頼するみなさまの問題と希望を叶えるための手段であり、家族信託®の依頼をしたみなさまのために行うものです。
家族信託®ありきで考えている人と感じた場合には、まず立ち止まりましょう。そして、家族信託®以外の方法が存在しないのか?確認をしましょう。
家族信託®以外の方法について、納得のいく説明をしてもらえれば問題ないと考えます。
一方で、納得がいく説明を受けられない場合には、納得がいくまで説明を受けるべきであると考えます。
物事が普及するにつれて、ビジネスのツールとしか考えていない人が出てくることは世の中の常であると思います。家族信託®も例外ではないことは残念であるかもしれません。仕方ないとは思いませんが、出てきてしまうことを防ぐことは難しいと言えます。それでも、みなさまが依頼するべき人がみなさまの問題の解決と希望を叶えるために仕事をしてくれる人であるかをみなさま自身が見極めなければならないということです。
そのためには、最低限の知識を調べ、詳しく説明してもらえる状況をみなさま自身が作り出さなければなりません。現在は、インターネットが普及し、様々なことを調べることができる時代です。とは言え、インターネットに書かれていることが正しいことであるとも限りません。間違っていることもあります。みなさま自身が常に勉強する姿勢を持つと、家族信託®を推奨している人たちも緊張感を持って取り組むことになると考えます。一生のこと、次世代につながっていくことですから、手を抜かないでもらいたいと考えます。
認知症大家対策アドバイザー
岡田文徳
第1回から第4回までのコラムはこちら↓
http://www.nichijuken.org/column-okada.html
(注) 家族信託®は、一般社団法人 家族信託普及協会が商標登録しています。
第15回コラム
https://dimetel.jp/2019/05/21/ft15/
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