一般社団法人は、まだ使えるが、忘れてはいけないことがある!

平成30年度の税制改正によって、一般社団法人を用いた節税スキームにフタがされ、節税できなくなってしまいました。そのため、一般社団法人は、もう使えないと考えている人は多いのではないでしょうか?

確かに、一般社団法人を用いた節税を行おうと考えているのであれば、もう行うことはできません。

しかし、一般社団法人を用いる目的は、そもそも節税スキームなのでしょうか?

当たり前ですが、一般社団法人は、節税スキームのために、つくられたものではありません。

 

一般社団法人を活用する例をあげたいと思います。家族信託®を行うときに、一般社団法人を用いる場合があります。

家族信託®を行う場合、

財産の管理を任される人(受託者)が必要です。家族構成によって、財産の管理を任される人(受託者)の候補が一人しかいない場合は、大変です。

財産をお願いする人(委託者)が認知症になってしまっても、お金や不動産を滞りなく動かすことができるようにするために、家族信託®を行うわけですが、

財産の管理を任される人(受託者)に何か不測の事態が起きてしまっては、元も子もありません。

ですから、財産の管理を任される人(受託者)の候補が1人しかいない場合は、別の手立てを行い、いわば応急処置的な対策を講じておく必要があります。

 

さて、どのようにするのか?

財産の管理を任される人(受託者)を法人にするという方法です。財産の管理を任される人(受託者)を法人にすることは、可能です。法人は、倒産しない限り、なくなることはありません。法人の中に、判断できる人がいれば、とりあえず、滞ることなく、進めることは可能です。(詳細な条件などはあります。)

 

法人にも様々なパターンがあります。ここでは、主に3つをあげます。(他にも法人の形態は存在します。)

  • 合同会社
  • 株式会社
  • 一般社団法人

 

合同会社、株式会社は、1人でも設立することが可能です。一方で、一般社団法人を設立するためには、最低でも2人は必要であるということです。

大きな違いであると言えるでしょう。

 

財産の管理を任される人(受託者)を法人にするだけであれば、合同会社、株式会社、一般社団法人のどの形式でも良いと考えます。(詳細に検討する必要はあります。)

 

忘れてはいけないことがあります。

法人内で判断できる人が複数人いる場合には、問題ありませんが、法人内で判断できる人が1人である場合は、注意が必要です。(もちろん、法人内で判断できる人同士が揉めないことが前提です。)

財産をお願いする人(委託者)が認知症になる前に、財産の管理を任される人(受託者)の代表を務めている人に万が一のことがある場合も考えられます。すると、財産の管理を任される人(受託者)を法人にしたとしても、万が一のときに判断することができる人が1人であれば、財産の管理を任される人(受託者)を個人にしている場合と変わりません。

そのため、暫定的とはいえ、財産をお願いする人(委託者)を入れておき、財産をお願いする人(委託者)が認知症になる前に、財産の管理を任される人(受託者)の代表を務めている人に万が一のことがあった時でも対応できるようにしておいたほうが良いでしょう。

ただし、暫定的なものを続けるのではなく、法人内で判断できる人を複数人にするために、何かしらの対応を続けることが必要です。法人内で判断できる人を複数人にするためには、各家庭において、様々な事情があると思いますので、個別に検討していくことが必要です。

 

家族信託®する必要があるのであれば、財産の管理を任される人(受託者)の候補者が1人しかいないからといって、断念するのではなく、応急処置しておきましょう。そして、暫定的に決めたことをそのままにするのではなく、何かしらの対応を続けましょう!

 

 

認知症大家対策アドバイザー

岡田文徳

 

参考:

国税庁HP

No.4143 特定の一般社団法人等に対する課税

https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/4143.htm

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