不動産を購入する前に、一度立ち止まろう!

弊社には、不動産に関する様々な相談がきます。本人が怪しいと感じて、ご相談される場合もありますが、本人ではなく本人の周りの人から相談した方が良いのではないか?と言われてご相談に来られる方もいらっしゃいます。残念ながら、こういうケースの場合は、手遅れであることがほとんどです。状況を改善、解決するために取ることができる方法が限られてしまいますので、選択肢がほとんどありません。

このような状況にならないためには、不動産を安易に購入するのではなく、不動産を購入する前に、学ぶことと事業計画を立てて、経営することが必要です。

顧客側に立って、提案してくれる不動産会社はありますが、ほんの一握りと言わざるを得ません。残念ながら、不動産を買わせようとする会社が多いです。不動産を買わせようとする会社は、不動産を買わせることが目的です。不動産を買わせたら、終わりですので、その後フォローすることはありません。

そのため、あらゆる手を使って、不動産を買わせようとしています。正直、新しいスキームをよく考えると思っています。

今回は、住宅ローンを用いる不正行為について、解説をしていきます。まずは、不正行為であるということを認識するところから始めるべきかもしれません。

住宅ローンは、自分が住むための住宅を購入するために、融資してもらう時に使用するものです。今回は特にフラット35について説明します。フラット35は、各金融機関において、住宅ローンとして取り扱っているものですが、住宅金融支援機構が各金融機関と提携しているものです。したがって、どの金融機関でフラット35を申し込んだとしても、最終的には住宅金融支援機構の条件に見合わないと融資してもらえません。

フラット35を申し込むことができる条件は、細かくありますが、そもそも自分が住むための住宅を購入するために融資するということです。そのため、年利1%台という低い金利で借りることができます。

それでは、賃貸不動産を購入する時に、フラット35を使うことができるかというと、自分が住む住宅ではないため、使うことができません。賃貸不動産を購入するときは、各金融機関でアパートローンや事業ローンといった形で融資を行います。つまり、事業に対する融資であるということですので、事業により得られる売上から支払うことを前提しています。事業として、売上や収益がどれくらい上がるのか?ということに対して、リスクが高いのか低いのかを判断することになります。リスクが高いと判断されれば、融資してもらえません。リスクが低いと判断され、融資を受けることになったとしても、多くの場合、住宅ローンのように低い年利で借りることはできません。住宅ローン並み住宅ローンよりも低い金利で借りることができる人は、ほんの一握りです。

誰でも融資を受ける時には、低い金利で融資してもらいたいと思います。賃貸不動産を購入する時に住宅ローンの金利で借りることができれば、事業として有利に進めることができます。しかし、住宅ローンは、自分が住むための住宅を購入するために使用するものです。

自分が住むための住宅を購入することを満たせば、住宅ローンを使うことができるのではないか?と考えた人がいます。つまり、実際には、賃貸不動産を購入するわけですが、自分が住むための住宅を購入すると偽るということです。明らかに不正行為です。

この問題点は、次に示すとおりです。

  • 自分が住むための住宅と偽る。
  • 審査を通すために、収入を改ざんする。
  • 購入後、住む気がないが、住民票を移す。
  • 賃貸に出す。
  • 数ヶ月後に住民票を元に戻す。

明らかに不正行為です。

弊社に相談に来られた方の場合には、不動産会社に確定申告書の収入を改ざんされ、知らないところで副業していることになっておりました。それは、収入を多く見せるためです。これによって、金融機関の審査を通過して、不動産を購入することができてしまいました。

購入後、住民票を移し、その場所に住んでいることになっていました。しかし、本人は全く住んでいません。住んでいないどころか現地を見に行ったことすらないという状況でした。話を聞いた弊社としては、開いた口が塞がらないような状態です。

なぜ、相談に来たのかというと、確定申告書の収入が多くなったので、所得税の追徴課税に関する通知がきたことによって、おかしいのではないかと感じたからだそうです。それでも、購入先の不動産会社に話したそうですが、購入先の不動産会社が追徴を受けた税額を支払うと話し、支払ったそうです。これで問題はないだろうと言わんばかりに・・・。

売却価格は、いくら上乗せされたのだろうか?と疑問に思わざるを得ません。

実際に、金融機関が調査を行い、本人が住んでいないことがわかった場合には、一括弁済を求められる可能性があります。本人は、不動産会社にそそのかされたとしても、本人自体が様々な契約書に署名、捺印をしている以上、残念ながら知りませんでしたでは済まないでしょう。

また、確定申告書を改ざんしているので、不動産会社は何かしらの刑罰を受ける可能性があるのではないかと考えます。

まだまだ、この手のスキームは数多くありますので、

次のようなことを言われたら、一度立ち止まって、冷静になりましょう!

  • 簡単に、賃貸不動産を購入できる。
  • 金融機関が融資してくれるので、問題ない。
  • 家賃が入ってくるので、大丈夫。
  • 言われた通りにやれば、絶対成功する。

必ず、客観的な立場からアドバイスしてもらえる人に相談することをオススメします!

認知症大家対策アドバイザー

岡田文徳

 

参考:

フラット35

https://www.flat35.com/index.html

不動産投資という単語は間違っている?

https://dimetel.jp/2019/04/08/re0/

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