不動産だけのパターンは気をつけよう!
相続対策の中で、相続税の対策を考えている方は多いのではないでしょうか?
実は、相続対策には、5つあります。
- 遺産の分割対策
- 納税資金対策
- 相続税対策
- 認知症対策
- 承継者対策
相続税の対策を行うことは、重要なことです。ただ、相続税の対策ばかりに目が行きがちですので、相続税の対策ばかりではないとお伝えしています。すると、相続税の対策は重要ではないと勘違いされる方もいますので、今回は、珍しく相続税の対策について、お伝えしたいと考えます。
まずは、相続税がかかるのか?かからないのか?をシミュレーションすることが重要です。相続税がかからないが、相続税の対策を行っても意味がありません。相続税がかからないのであれば、他の相続対策を行ってください。相続税のシミュレーションは、税理士にお願いすれば、行ってもらえます。その時に、税理士でも、相続税に強い税理士を選択することが重要です。税理士の多くは、相続税の申告を手がけた数が少ないと言われています。
税理士登録者数:78,383人(令和元年8月末日現在)
相続税の申告件数:111,728件(平成29年)
数値に若干の時差があるとはいえ、
計算上、1年間で相続税の申告は、税理士1人あたり1.4件であることがわかります。相続専門でやっていない税理士さんは、相続税の申告に関する経験が少ないということがわかります。ぜひ、相続税に強い税理士を選択することをオススメいたします。
さて、相続税がかかりそうであれば、相続税対策が必要になります。ここで、現金、預金が多い場合であれば、相続税対策は比較的やりやすいといえます。
一方で、問題となるのは資産のほとんどが、不動産である場合です。
相続税を払う必要があるけれども、資産のほとんどが不動産である場合、不動産をそのまま物納するわけにはなかなかいきません。原則として、相続税は金銭で支払うことになっているためです。
何も対策を行わなかった場合、不動産を売却して、金銭で支払うことになってしまいます。相続税の申告期限は、10ヶ月ですから、それまでに思った通りの価格で売却することができれば、問題ないでしょう。しかし、多くの場合、思った通りの価格で売却することが難しいです。
購入できる人が限られてしまうからです。
- 金銭をすぐに用意できる人
- すぐに融資を受けることができる人
また、なるべく安く購入したいと考えるため、価格を下げる交渉を行ってくるでしょう。購入側としては、どうしても購入しなければならない時を除いて、購入する理由がないからです。下げた価格なら購入するということになるでしょう。
相続が発生してから、売却しようと思っても、手遅れになることが考えられるということです。そのためには、相続税対策を行っておくと同時に、実は納税資金対策も行っておくことが重要です。
さて、どうしましょう?
- 不動産を売却しておく。
- 不動産が複数ある場合には、売却しづらい不動産を売却する。
- 不動産を購入して、相続税に関する資産評価を下げる。
不動産を売却するという選択肢を選ぶ場合には、問題は少ないかもしれません。売却前よりも相続税が増えてしまうことがあるかもしれませんが、売却後に納税資金として、金銭を保有しておけば、対応は可能でしょう。
問題は、不動産を購入して、相続税に関する資産評価を下げようと考えた場合です。所有している不動産を売却して、新たに不動産を購入する場合も同様です。賃貸不動産を購入する場合が多いわけですが、不動産であればなんでも良いわけではありません。賃貸不動産であれば、事業として成り立つことが重要です。特に、金銭が少ない場合には、納税資金にも困りますので、相続税に関する資産評価を下げることを考えざるを得ないわけですので、事業として成り立つ賃貸不動産を購入し、納税資金を確保するということを考えるわけです。事業として成り立たない賃貸不動産を購入すると、金銭が少ないことに加えて、さらに金銭を使うことになり、金銭がなくなってしまうということにもなりかねません。
ですから、単に不動産を購入すれば良いというわけではありません。必ず、相続税の面と事業性の面と両面から確認することが必要です。
認知症大家対策アドバイザー
岡田文徳
参考:
全国賃貸住宅新聞2019年9・9号
賃貸住宅フェア2019 in 東京
相続対策でもう迷わない!
事例に学ぶ、勝ち組地主の“見える化”戦略
日本税理士会連合会
国税庁
https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/3012_01.pdf
なぜ、相続税対策に不動産が使われるのか?
https://dimetel.jp/2019/09/04/ih4/
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